むし歯のできかた
歯垢ができるまで
むし歯はむし歯菌(有名どころでミュータンス菌)が歯を溶かす酸を出すことが原因となります。
餌と成る糖が歯に付着することでそれを糧に増殖し酸を出します。
このネバネバした酸や増殖した菌のかたまりを歯垢(プラーク)と呼びます。
バイオフィルムができるまで
歯垢が溜まるとむし歯菌だけでなくほかの様々な菌が結びつきバイオフィルムというネバネバした保護膜に覆われた汚れに変化します。バイオフィルムは薬剤に耐性を持つため研磨剤などを弾いたり、ネバネバと歯にこびり付いているためブラッシングをしてもなかなか落とすことができない厄介な性質をもちます。また、バイオフィルムで守られているため細菌はどんどん増殖し歯を溶かす酸を多く放出します。
歯石ができるまで
だ液は石灰化の作用を持ち歯を硬く保ってくれますが、その効果はバイオフィルムにまで波及してしまいます。汚れはおおよそ24時間で50%が石灰化するといわれており、時間経過でバイオフィルムはブラッシングでは落ちない歯石へと変化してしまいます。
歯石は酸を出さないのでむし歯が進行することはありませんが、軽石のように凸凹した表面を持っているためその部分に歯垢が溜まり易く、複雑凹凸ゆえに歯石にこびりついた歯垢を落とすことは困難です。
歯石自体は無害ですが、歯石があることで雪だるま式に歯垢が溜まっていくのでむし歯が加速的に進んでいきます。
また、歯石は歯周病の原因となります。
こうして
歯垢→バイオフィルム→歯石→歯垢
と繰り返すことで、歯磨きなどの家庭で出来る歯のケアでは落ちない汚れが溜まっていき歯を溶かす酸が出ることで歯が徐々に溶けてむし歯が進行します。
歯を磨いていても、どうしても磨き残しはでてきます。
少しづつ落ちない汚れがたまります。
それが徐々に溜まるので歯を磨いていてもむし歯になるのです。
歯科医院での予防(クリーニング)とはこの歯石や歯垢が溜まってきた段階で、それらを一掃するための清掃になります。