内覧会とは
街中やショッピングモールなどで時々内覧会を行っているのをご覧になったことはないでしょうか?
歯についてなんの関係があるのかと言われると、一応とつきますが、歯医者さんも内覧会をします。
年間およそ500件近い歯医者さんが内覧会を行っているといわれています。
1000件ほどの歯科医院が毎年開業していることを鑑みるとおよそ半数は実地している計算です。
さて、では半数もの医院がなぜこれを行うのかという話です。
簡単に医院側の目的を言うと
・開業初期の予約
・地域への挨拶と認知度の向上
・スタッフの初期研修
これらになります。
医院によって何を重視するか異なりますが、開業初期の予約は大きい意味をもっています。
なぜなら、普通に開業しても開業日に来院するお客さんは数人、下手をすると0なんてこともあります。
世間的に歯科医院はスーパーやコンビニのように毎日利用するものでもなく、医院に行く目的はあまりありません。
また、目的もないのに医院に入って中を見てなにもしないで出て行くことには強い忌避感を感じます。
そうなると、用事も無いのに行く場所では無いという観念があるので、近くを通っても『あ、新しい医院ができるんだな』とは思っていても『じゃぁ寄ってみようかな』とはならないのです。
これがコンビニやスーパーやアパレルショップであれば、一見客として訪れることは難しくないでしょう。
しかし、これが医院になると話が全然変わるわけです。
この初期の心理防壁を低くすることが内覧会の大きな目的となります。
内覧会で予防歯科の重要性をアピール
内覧会で大事なことは、潜在的なお客さんに対して知識を身に着けていただくこと、歯科医院に対して馴染みを感じてもらうことです。
実際に歯科医院で働くスタッフや先生とお話ができるので、医院の雰囲気を知ることも出来ますし先生やスタッフの人がどういう感じの人か知ることはできるのは大きいです。
普通歯科医院のことを知るには電話で予約を取り、実際に初診で検査などをしてもらうというステップを必ず踏まなければなりません。
ぶらっと行って帰るということはできないのです。
ですが、内覧会にはふらっと入っていって、しかも歯科医院のスタッフとして構えているスタッフさんではなく。来たお客さんに医院のことを知ってもらおう。歯科の知識を少しでも知ってもらおうとする形での接遇となるので応対も普通の歯科医院への来院時とは異なるものになり、新鮮味を味わうことができます。
治療に訪れた時に使う機器の説明などもこのときはしてくれますので、気にはなっていたけどわざわざ聞くのもあれだなぁ。
歯科医院にはよくわからない器具が山のようにあります。
検査や治療に使われる器具だというのに良く知らないわけですね。
じゃぁこれでむし歯を治療するんですよとか、この機械でこういう検査ができてこういう結果が出ます。
とか、知っていなくもいいことなんですが、それを知ることによって歯科への馴染みがでてくるわけです。
また、成人の9割が羅患しているとも言われる歯周病。
ほとんどの人は歯周病にかかっているといっても過言ではないわけですから、この危険性を訴えるのはまったく問題ないわけです。
来院者の多くは『へー』という感じになります。
また、口の中の不都合を感じていても痛みが特に無い場合、歯科に行かないで過ごしてしまう人が多いです。
折角だから予約して検査だけでも受けてみませんか?
この一言で予約してしまう患者さんもいるわけです。
まぁとりあえず心配だし検査だけでもしてもらうかぁ。
そう思ってくださる方もいるわけです。
普段歯磨きをしている方も大勢いるわけですが、それだけだとどうしてむし歯になってしまうのか、その部分をしっかり伝えれば、少なくない方が予約をしてくれるわけです。
内覧会に来た時点で歯科医院を訪れることへの抵抗感はゼロに近くなっていますし、面倒に感じる歯科へのチェック(予約)も果たしてしまったので、後は開業後に訪れるだけ。
そういう状況を作るわけです。
このサイトは根管治療がメインなので内容は異なりますが、基本的な部分は載せているのでこのサイトをある程度ご覧になった方なら内覧会などで込み入った質問をしたりできるくらいにはなるんじゃないかなと思います。
多くの歯科サイトがそうですが、ある程度の知識は入手できるのですが、その知識が自分場合どうなるのか? そういった部分への回答は口腔内の写真でも撮って投稿するしか得る手段はないでしょう。
それも完璧には遠い回答になるはずですから、やはり専門家に診て貰って回答を得る必要があります。
その際にある程度の知識が無いと質問もできません。
内覧会では患者さんに知識をつけてもらうことでその後の診療にも効果を発揮するのです。
内覧会をした結果
実際歯科医院で予防をすることは患者さんにとっても良いことなのでハッピー。
歯科医院側も開業初日から患者さんが来てくれてハッピー。
良いことづくめなんですね。
特に歯科医院側。
多くの歯科医院の先生は開業に3000~4000万の資金が必要になります。
その上で開業から毎月の家賃だとか光熱費だとかスタッフの人件費を払わなければなりません。
家賃や人件費で毎月の経費は変動しますが、毎月100万はかかります。
普通に開業して患者さんが定期的に来てくれるようになるのは3~6ヶ月くらいかかります。
その間月に10人くらいしか患者さんが来なかった。
そんなこともあるわけです。
ほんと行く必要性か、認知度の問題で患者さんが来ないことは高い頻度で起こりうることです。
そうなると開業当初は資金繰りと患者さんが来ないことの焦燥感で精神的にまいる方が出てきます。
それを回避できるのが内覧会なのです。
法律の関係上医療機関は下手な広告を出すことはできません。
ショッピングモールなどの大掛かりなお店のオープンでしたら、噂が大きく広まるので勝手に人は集まってきますが、小さな医療機関は需要と認知度がマッチしないと人は集まりません。
この部分をクリアするのはイベントしかないわけです。
さて、ここまで読んでくださった方で
『そういや近くで内覧会があったな』
という方がいらっしゃったら一度ふらっと寄ってみてください。
普段は知ることができない歯科の一面を知ることができます。
また、モデルルームなどの住宅などの内覧と異なり、営業活動なんかはないので気軽に行って気軽に帰ることができます。
予約をしてもらうことが歯科医院の最終的なコンバージョンですが、認知度を広めるということもまた目的のひとつなので需要の無い方に無理矢理予約を迫ることはまずもって無いです。
定期的に歯科にかかることは良いことなんですが、その意味をしっかり理解していないと
『歯が痛くないのになんで歯科医院に行ってるんだろう?』
という自問自答の末
『べつに行かなくてもいいかなぁ』
という方向に流れて、一度行かないと
『予約したのに行かなかったからばつが悪いなぁ』
という気持ちで歯科医院からは遠ざかってしまいます。
そうすると本当に歯が痛くなってから歯医者さんに行くという二番目に悪いパターンに嵌ってしまいます。
こういったことが無くなるように、歯科医院の内覧会では丁寧にご案内をしています。
そこで予防歯科の重要性が伝わらなかったのなら、まったくもって残念としかいえません。
歯科に行くいかないは別として、内覧会はある程度趣向を凝らしたイベントになっているはずなので、お子さん連れで見て回って楽しめると思います。
科学館などを見て回る感覚で1時間程度は楽しめるんじゃないでしょうか。
大人からしてみると狭い医院でもこどもからしてみると興味津々で小1時間は興味が続くと思います。
内覧会は基本、週末祝日に行われますのでお近くで行われるようでしたら試しに行ってみるといいかと思います。
用事が無くても全方位ウェルカムな雰囲気を醸し出しているので、一風変わったデートスポットなどとして利用してみるのも面白いかもしれません。
多分いないですよ。
デートスポットに内覧会を選ぶ人は。
恐らくお互いの歴史に残るデートになると思います。
もちろん美味しいお店や雰囲気のある夜景や映画館などスタンダードも織り交ぜる必要がありますが、一味違う人間味を出すには最適だと思います。
内覧会デート。
お勧めです。
合言葉は今日から二人でデンタルフロス。
使い方なんかを一緒に学んで楽しいひと時が過ごせます。