デンタルフロスなどの歯のケア用品とは ―最低限使いたいケア用品―
・歯ブラシ
まず多くの人はこれを使っていると思いますし、逆にこれさえあれば良いと考えている人もいます。
歯ブラシは歯の面を磨くことには優れた力を発揮しますが、歯の隙間などに対してはそれなりの効果しかありません。
磨き方によってそれなりに汚れを落とすことができますが、残念ながら歯ブラシだけでは全ての歯垢を落とすことはできません。
よって次に紹介する補助用品が必須となってきます。
・デンタルフロス
歯の隙間についた汚れを取ることが主な目的の糸です。
歯科医院だけでなくドラックストアなどでも販売しているので購入することは容易です。
ただ馴染みの無い方だと外見がわからないので
上記の図のような形をしています。
中に糸が巻いてあるので、糸のようなものを探しても見当たりません。
見当たらないようであればお店の人に聞きましょう(もしくは歯科医院で購入すれば確実)。
さて買ってきたもののどうすればいいのか?
単純に作業だけを言葉にすると、中に入っている糸を出して歯の隙間に通します。
糸を引っ張ってある程度出して、両手で掴んで糸を歯の隙間に入れ、片方の歯に力を少し入れて上下に動かしながら糸を左右に引き何度か擦ります。
そして反対側も同じように擦ります。
単純に糸を歯の間に通して歯茎の根元まで差し込んで抜くだけでも一定の効果はありますが、それだけでは歯と歯の隙間にある歯垢は全て落ちないのです。
ひとつひとつの歯の隙間にフロスを通して両側を擦る作業は結構大変です。
すんなりフロスが通る歯もあれば、なかなかフロスが通らず糸が挟まってしまうこともあります。なので全ての歯にフロスを通そうとすると最初は20分くらいはかかってしまうかもしれません。
ですが、フロスにこびり付いた汚れを見ると丹念にやりたくなる気持ちも芽生えてくるはずです。
フロスを通してみて、白い汚れや黄ばんだ汚れなどがまったく付いていない人は素晴らしい方です。
歯磨きだけでそこまでできているのならフロスの必要性は薄いかもしれません。
しかし、ほとんどの方は糸になんらかの物質が付着しているのでは無いでしょうか?
場合によっては血が付着することもあります。
また、使ったフロスが凄い臭いを発している場合もあります。
その場合は歯周病かむし歯が進行している可能性が非常に高いので、すぐに歯科医院に行きましょう。
軽い出血とか別にそんなに痛くないから問題ないと感じているかもしれませんが、結構危ないレベルのむし歯などが進行している場合が多いです。
歯からの出血は多少であっても危ないシグナルだと思ったほうがよいです。
また、今までフロスを使ったことがない方は、使ったことにより一時的に知覚過敏になることがあります。
本当は毎日一回フロスを使うことが重要ですが、1日おきに一回。もしくは周2回か3回といったペースでフロスを使うことが予防になります。
一度使うと、今までいかに隙間を磨けていなかったか理解できるので、歯のケアの必需品となる一品です。
ただ、使うのに少しテクニックが必要になるので、一度歯医者さんで使い方を教わるのがベストです。
・糸ようじ
一時期流行った歯科ヒット用品。
用途はデンタルフロスと変わらないですが、使いやすいため初心者には糸ようじがわりとお勧めです。
ただし、使いやすいのですが、フロスと同じように歯に挟まってしまう宿命にあるので、抜くときに結構大変なことになる場合があります。
フロスなら、引っ張ることでとる事が可能ですが、糸ようじはプラスティック製の部分に糸が固定されているので無理矢理上に引っ張って抜かなければなりません。
そうなると歯に大きな負荷がかかるのでお勧めできません。
使い慣れてくるとやはりフロスの方が格段に経済的ですし、汚れが付いた部分を一回一回取って磨く必要が無いのでフロスの方が使いやすくなっていくと思います。
個人差があるのでなんとも言えませんが、どちらか使いやすいほうを使うのが一番いいでしょう。
隙間を綺麗にすることが目的なので、どっちが良いとか悪いとかではなく、自分が使いやすい方を使うべきです。
ちなみに、爪楊枝を使っているから大丈夫という意見が少数ありますが、爪楊枝なんかじゃほとんど汚れはとれません。
歯に挟まった大きな物質は取れるかもしれませんが、歯の隙間にこびり付いた歯垢などに対してはそこまで有効ではありません。
ある程度は汚れもとれますが、絶対に無理な領域があります。
やらないよりは全然いいのですが、折角時間をかけるのならばもっと効果が高いほうがいいはずです。
むし歯などが全然進行していないというのであれば問題無いのですが、むし歯になったことがあるのであれば使った方が予防効果は高いです。
・歯間ブラシ
こんなタイプのブラシがあります。
主に隙間の部分を磨くのですが、その隙間は歯と歯肉の間です。
ここも歯ブラシでは磨き残しが多い部分であり、またそれが歯周病の原因ともなります。
自覚がなく歯周病が進んでいる人が多いのはご存知でしょうか?
恐らく、大なり小なり皆羅患しています。
致命的な悪影響が出るまで自分ではほとんど気づきません。
歯科医院で専門の検査をして貰って歯周病かそうでないかが分かります。
酷いレベルの歯周病でない限り見た目ではまず、気づきません。
そんな潜在的な歯周病を予防するためのグッズがこれです。
歯間ブラシと言うくらいだから、歯と歯の隙間を磨けばいいんじゃないか?そう思われるかもしれませんが、サイズにもよりますが
あまり歯と歯の間を磨くことに関しては向いていない道具なのです。
とれないこともないけど、どうせやるならフロスを使えといった具合です。
なので用途はもっぱら歯周を綺麗にするための道具。
しかし、歯間ブラシまで使い始めるようだと本格的に歯のケアに力を入れている人になっています。
歯科医院でも『結構磨けてますね』といわれる人の部類に入るのではないでしょうか。
ただ、それでも磨き残しは数ヶ月経つと溜まってしまうので、定期的に歯科医院にいかねばならないのには変わりありません。
磨き残しが自分で分かればいいんですが、染色剤を毎度使うのと、定期的に歯科医院に行くこと。どちらが楽でどちらが経済的かを考えれば普通は歯科医院に行くことです。
自分の目でチェックできる歯には限りがあるので、やはり全体をくまなくチェックしてもらうには歯科医院に頼るのが一番でしょう。
ケアをある程度自分で行えるなら歯科医院に行く頻度は半年に一回くらいがちょうどいいと考えられます。
一度いくと3000円くらいの費用はかかりますが、歯にこれだけ情熱をかけている人からすれば年間6000円は安い経費ではないでしょうか?
少なくとも年間使う歯科用品より安いと思います。
話が少し逸れましたが、歯間ブラシは好みでご利用という形でしょう。必須とはちょっと言い難い商材です。
・ワンタフトブラシ
私が最近気にし始めたブラシです。
歯ブラシのように広い面を想定したものではなく、複雑な形状や狭い部分を磨くことに特化したブラシです。
通常の歯ブラシで多いのは歯冠部分の噛みあい面。
複雑に窪んだ部分の磨き残しがむし歯の大きな原因になっています。
ここから酸が出続けることで表面のエナメル質に穴があき、内部がむし歯に食い荒らされる状況ができてしまいます。
例えば堅いクッキーを奥歯で食べた時、歯の上下には細かい食べ残しがねっとりくっついています。これは歯磨きを雑にすると全然落ちません。
歯冠の形状は複雑なため、水平な面を磨くことは得意な歯ブラシでも、凸凹の歯冠部分は丁寧に磨かないと汚れが残ったままになります。
そこで、一点特化のワンタフトブラシ。
奥のほうにも苦もなく突っ込めるので、奥歯の裏を歯ブラシで磨くことが大変な人向けのブラシです。
歯ブラシで磨いても歯冠の汚れが落ちにくい! と感じていた人は一度これを試してみるといいでしょう。
使いやすさは一番かもしれません。