感染根管治療とは

むし歯が歯髄まで達して壊死を起したり、根管治療の予後が悪く根っこの先に膿の塊を作ってしまった状態を治療するのが感染根管治療になります。

根っこの先の膿の塊を除いて治療をしなければならないので、非常に難易度の高い治療になります。

成功率は3割ほどとなります。

なのでこの施術をしたがる保険医の方はおよそ見当たらないでしょう。

なぜなら、成功率が低いと最初から分かっていて、失敗したら確実に腕が悪かったからだと言われる・思われる状況になってしまうからです。

また、一本の歯を最後まで面倒をみるのに何回も通ってもらわなくてはならないのに、治療費は雀の涙ほどしか払ってもらえないという悪循環。

保険を行っている歯科医師にとってハイリスク・ローリターンなのが感染根管治療なのです。

 

どんな根管治療の権威の先生であっても、成功率は高くはありません。

それくらい難易度が高いのです。

また、ここまで歯を悪くしてしまったということは、治療をしてもまた悪くしてしまう可能性が高いことも先生は懸念するでしょう。

神経を抜いた場合歯が脆くなり歯根歯折が起き易くなっており、たとえ施術が成功したとしても患者さんが固いものを噛んだ時などに歯の根が折れてしまうことがあります。

歯が脆くなっているのだから、注意して使わなければいけないのに、いつもの感覚で歯を使ったとしたらこういうことも起こりえます。

患者さんの不注意でこういうことが起こっても、えてして歯科医師の責任になってしまうのです。

患者さんからしてみると、治療をしてもらったんだから尚って当然という意識があります。

本当は治ったのではなく対処しただけなのですが、患者さんの意識の中では治っているという思い込みが強い場合があります。

むし歯は進んでしまうと元に戻ることはないことを、しっかりと認識しなければなりません。

 

ここまで至ってしまった場合は、半ば博打を打つつもりで治療をしてもらうしかありません。

根管治療を専門にやっている先生であれば成功率が多少高まりますが、5分まであがるかどうかといった闘いになります。

それくらい感染根管治療は厄介だと思ってください。

保険医の先生であれば初めから抜歯した方がいいと仰る方も少なくないと考えたほうがいいのです。

もし感染根管治療をしてくれる先生がいるのであればチャンスが一度来たくらいに考えておくといいかもしれません。

 

治療が実際に始まったら何度も歯科医院に通うことになります。

感染源が完全に除けたと先生が確信を持つまで(もしっくは先生が決めた回数)治療が続くので、辛抱強く通いましょう。

決して途中で治療の中断や通院間隔を勝手にあけてはいけません。

 

もちろん、先生側の腕が足りないこともあるかもしれません。

その時は、見る目がなかった、運が無かったと思ってあきらめましょう。