歯周病についてどれくらいご存知でしょうか?

「言葉はなんとなく知っている」

こういった方が多いのではないかと思います。

むし歯は痛みによって症状の進行を教えてくれます。

しかし、歯周病は症状の進行に痛みを伴ないません。

重度の状態になるまで気づかない。

結果、歯がぼろぼろ抜ける。

なので

歯周病の症状がどういう経過を辿るのか?

自覚症状はどういったものがあるか?

これらをまず知らなければなりません。

 

歯周病は歯医者さんでも専門の器具を使って検査しなければ気づかない場合があります。

なので症状を知っても気づかないことはまま、あります。

しかし、ある程度予兆はあるので、もしかしたら……。

と、早めに予兆をつかむことで早期に治療ができるかもしれません。

 

 

歯の周りの病気

むし歯は歯自体が菌に侵されて進行していく病気です。

対して歯周病は歯ではなく、歯の周りの歯肉や歯槽骨に対して進行する病気です。

 

歯は歯槽骨に支えられています。

歯槽骨はむき出しだと磨耗してしまうので歯肉に覆われています。

歯を支える土台は歯槽骨ですが、その緩衝材として歯肉があります。

歯と歯肉の間には隙間があって、健康な歯肉ならばそこの隙間は3mm以下になります。

 歯周病 正常な歯

 

歯周病は歯のケアが足りないことが羅患の大きな原因です。

ケアが足りないと歯と歯茎の隙間にプラーク(様々な菌の集まり)が溜まっていきます。

このプラークからそうすると、まず歯肉に炎症が起きます。

健康な歯はピンク色をしていますが、炎症が起こった部位は赤くなります。

この段階を歯肉炎といいます。

歯磨きなどで軽い出血などをします。

プラークが付いた歯

 

 

 

 

 

 

 

この段階でしっかりとケアができていれば問題ありません。

ケアが行き届かないと少しずつ歯の根元の隙間が広がっていきます。

ミリ単位の変化なので見た目ではわかりません。

しかし、着実に症状は進んでいます。

症状が進行していくと歯の根元へと菌が入り込んでいくので、歯を保護している歯根膜と支えている歯槽骨の両方がダメージを受けます。

呼び方としては歯周炎です。

この状態だと、歯肉が後退しているので健康な状態よりも歯が長く見えます。

歯肉の隙間に入り込んだ菌が繁殖して悪臭を放つので口臭の原因になります。

また歯を支える土台が緩くなったことで歯がすこしづつ動き出します。

この段階までくるとほとんどの人はおかしいとは感じますが、痛みが強く日常生活に齟齬が生じるわけではないので歯科医院に行こうと考える人は少数です。

歯周炎

 

 

 

 

 

結果症状は更に悪化します。

歯肉に細菌が感染し膿の塊を作ります。

神経が圧迫されるので痛みを感じることもあります。

歯槽骨は吸収が進み完全に後退しているので歯はグラグラと動き、固いものを噛むなどの衝撃で抜けてしまいます。

ここまで歯周病が進行すると治療は難しく抜歯になることが多いです。

重度の歯周病

 

 

 

 

 

歯周病はむし歯と異なる菌が原因となっているので、むし歯では無い人も歯周病になっている可能性はあります。

長年むし歯になっていないから歯科医院にはいっていないという方がいらっしゃいましたら、一度歯科医院に検査を受けに行ってください。

自分の歯が健康かそうでないか、把握しているつもりでも病気が進んでいるなんてことはよくあります。

御自身の健康を守るためにも定期的に歯科医院に通いましょう。